Hole.ioやCrowd Cityで有名なVoodoo社製ゲームの特徴を調べてみた
Voodoo社とは、グローバルでスマホゲームを100個以上リリースしているフランスの会社です。うち複数ゲームが世界中でバズっています。また、去年ゴールドマン・サックスから200億円調達しています。
現在日本のApp Storeでは約50個のゲームが確認できます。Hole.ioやCrowd Cityは日本語の実況動画が上がってたので知られてそう。
今回は、 アプリ界の王者Voodooがヤバイ - ホーリーのプログラミング日記 で触れられていた
- SE/BGMがない
- 全体のボリュームより最初のステージの調整を重視
普通のゲーム開発とは真逆という上記設計に興味が湧き、実際にいくつかプレイしながら他にも面白い特徴がないか調べてみました。
Voodoo社のゲームの共通点
チュートリアルがなく、動作がシンプル
スマホゲームでも、チュートリアルをこなさないとプレイさせてもらえないゲームが一般的な印象です。しかし、Voodoo社のゲームではチュートリアルに遭遇しませんでした。
何の説明もないものもあれば、上記画像のように初回時に簡単な図+文字での説明がある場合もありました。どれも、動作と概念を1つか2つ、max3つくらい理解すればプレイできるようになっていました。
結果として、これらのゲームは動画映えします。チュートリアルがなくてもプレイ開始できる=動画広告を数秒見ればプレイ方法が分かるのです。
音声はないが、Haptic Feedbackはある
Haptic Feedbackとは触覚によるフィードバックのことで、具体的には近年のスマホに搭載されてる振動機能を指します。
ホーリーさんのブログで音声がないと言われていましたが、私が観測したVoodoo社のゲームは最低1種類以上のHaptic Feedbackを使い分けていました。
SEやBGMも、既存のものを使えば手間もかからないし無料のものもあるので、なぜ音声を削ってHaptic Feedbackは実装するのか不思議です。どちらか1つあれば十分「癖になる」、かつHaptic Feedbackの方がパターンが少ないので考えることが少ないのかもしれません。
広告が大量(課金すれば広告オフにできる)
私が観測した広告はすべてスキップ可能でしたが、1つスキップしたらもう1つ広告が出てくるなど結構ウザいです。
ただ、ゲーム中に出てくるのではなく、ゲーム終了とコンティニューの間に出てくるので、コンティニューしたい!という気持ちから耐えられました。
また、おそらく重要なのは、ゲーム終了したからといって毎回広告が出てくるわけではない点です。3回に1回程の確率で広告が出ない場合もあるため、とりあえず続けてみるか、耐えてみるか、という気持ちになると思われます。
また、スタート画面で邪魔にならない程度に広告が出ているゲームもありました。私が観測した範囲ではこの枠に出してるのは自社ゲームでした。
アチーブメントをアンロックするとスキンを選べる
他社ゲームだと色々なアチーブメントがあるイメージですが、Voodooゲームは必ずスキンの種類が増える形を取っています。
無駄なことに頭を使わない方針が徹底されています。なお課金で購入することもできるみたいです。
オフラインでも遊べる
驚いたのですが、Hole.ioのマルチプレイヤーモードのように他のプレイヤーと競っているはずのゲームでも、なんとオフラインで遊ぶことができました。
ゲームの途中からオフラインに切り替えても、最後まで遊び切ることができました。
実は最初からコンピューターと対戦しているのか、オフラインに切り替えるとコンピューターに切り替わるのか。
他社ゲームにはあるがVoodoo社のゲームにはないもの
音声以外だと
- ランキング
- フレンド機能
- 可愛いキャラ
これらはVoodoo社のゲームにはありません。
ランキング導線がある場合もありますが、自社でランキング画面を開発することはせず、Game CenterのLeaderboard機能のデフォルトUIを使用しています。
質素。
他社ゲームのコンセプトパクリ
よくあることだとは思いますが、他社人気ゲームのコンセプトをパクって再度バズらせています。
Dune! はかつて流行ったスマホゲームTiny Wingsのパクリ
Snaker.io!、Paper.ioは名前ごとSlither.ioを踏襲していますw
直近1,2年以内でリリースしたゲームが多数
数えるのが面倒で諦めたのですが、今App Storeで確認できるゲームのうちほとんどのバージョン履歴が「一年前」までしか遡れなかったですし、数ヶ月前までしか遡れないものも多かったです。
つまり1年に数十単位のゲームをリリースしています。
競合?他社
Slither.ioはVoodoo社っぽいですが、Voodoo社のゲームではなく、Steve Howeという個人によって開発されたみたいです。また、Slither.ioの前にAgar.ioという似たコンセプトのゲームがあり、そこから.ioの系譜が生まれたっぽいです。
Slither.ioは http://slither.io/ からプレイできますが、Voodoo社の「◯◯.io」シリーズはブラウザからプレイできないし、ドメインも取っていないようです。Voodoo社はこの点でも不要な工数を排除しています。
また、Voodoo社に先んじてミニマルなカジュアルゲームを多数作ってバズらせる手法を取ってきたKetchappという会社があることが分かりました。グローバルのカジュアルゲームのダウンロード数だとKetchapp社が1位、Voodoo社が2位と言われているようです。
流行るゲームのUIは参考になりますが、Voodoo社のようにミニマルな内容で数字を伸ばしている例は特に勉強になると感じました。